悪いカードに見えてもプラスの力を引き出せる

田中 では、ひとつアドバイスをいただきたいんですけど、悪いカードが出たら、どう捉えたらいいですか?

伊泉 それを、悪いカードと捉えず、“気づきを与えてくれるもの”と思えばいいんです。
「悪い結果が出てしまった」と捉える人は、タロットを予言のようなものにみなしている前提があると思うんです。
だから、例えば「悪魔」のカードが出たなら、それを「自分に何らかの気づきを与えてくれようとしている」と思えばいいだけの話です。

田中 「あなたは、執着していますよ」という?

伊泉 そうそう。「自分が囚われているものは何か?」 に目を向ければいいだけなので。
まぁ、でも、タロットというものは、「怖い」くらいのイメージにしておいた方がいいんだけど(笑)。子どもの頃は、「呪われるんじゃないか?」くらいの怪しいイメージだったじゃないですか。懐かしいあの時代に戻った方がいいんじゃないかな。

田中 最近はドロドロ感がなくなりました?

伊泉 そうなんですよ。東京とかで占いをやってる方って、ちゃんとしている方が多くて(笑)。怪しくない、というか。
僕が26歳くらいで占いを始めた頃は、占いが怪しいイメージだった頃ギリギリで、「占い師をやっている」と話したら、「え〜、どうやってなるんですか?」だったのに、今だと「私の知り合いにも占い師が人いたかな」みたいな感じですからね。
全然、恐るべきものじゃなくなってしまった(笑)。ちょっと残念ですよね。

勘違いしないよう自分を戒める努力を

田中 普及という面で、最近、タロットは一番か二番手ということを聞いたことがあります。

伊泉 一番手は、占星術じゃないでしょうか? タロットと占星術はファンが重なっている部分がありつつ、案外分かれますよね。
占星術をやっている人はタロットに興味無いという人がいて、「なぜ?」と聞くと、「タロットって偶然出てくるカードだから、信頼がおけない」みたいなことを、よく言われますよね。

田中 教わりに来る生徒さんが多いと思いますが、今こうして伊泉さんとお話していて感じるのは、教わろうとする生徒さんの考えと、教える伊泉さんの考えにギャップがあるんじゃないですか?
占いで将来が読めるよう学びたいのに、全然そうじゃない方向を教わることになるという。

伊泉 最初はそうですが、うまく乗せるんです(笑)。「そういう考えだから、冴えない人生になるんだよ。目覚めなさい」みたいなことを僕から諭されるわけですから。

田中 よく、「運を良くするにはどうしたらいいですか?」とか、聞かれませんか?

伊泉 僕にはあまり聞いてこないですね。僕が答えるなら、「運を考える前に努力しなさい」

田中 あはははは。では、占い師の実力と人格の関係についてですが、人間性が著しく低い人でも、占いを扱うというのはどうなんでしょうか?

伊泉 そういう人は、相談者に有害だと思うから、占いをやらない方がいいんじゃないかな。
だからと言って、完璧な人間などいないしね。
多少性格が悪いくらいならまだしも、著しく悪いとなると、占いを悪用するかもしれないし。「人を支配したい」という思いを持っている人だと、ヤバいですよね。

田中 依存させたい人のことですね。

伊泉 教祖願望がある人だと、問題を生むでしょうね。でも、誰の中にも教祖みたいに偉ぶりたいとか尊敬されたい欲望って、大なり小なりありますから。
周りからそういう扱いを受けていると、勘違いして気持ち良くなっていくから、占い師は、自分で自分を戒めなきゃいけないでしょうね。自分の中にあるそういう欲望に気づいて、どう在るべきかに目を向けないといけないですね。

田中 そうですよね。

伊泉 僕も教えていると、偉ぶっちゃって、大先生のフリをしてしまいますからね。それで、「いかん、いかん」みたいな(笑)。

宿命論にとらわれず現状を切り開く方向へ

田中 人にとって「宿命」として決まっている部分と「選択」できる部分はどのくらいの割合なんでしょう?

伊泉 全くわからないなぁ・・・。でも、宿命というものをどういう意味で使うかによるので、難しいところだと思いますが。
変えられないことって山のようにあるじゃないですか? 生まれた時の遺伝子レベルかもしれないし、自分の親や、生まれた環境や社会とか。
そういうことは自分では選べないので、それを宿命と言うのなら、その初期設定の条件は変えられないけれど。でも、その環境の中でどういう選択をしていくのかは、少しは変えられますよね

田中 西洋占星術の業界では、よく宿命論と選択のことを言われますが、結局、答えは見つかってないですよね。
「ある程度のことは選べますが、ほぼ決まっているんだよ」と言われたりしますけど、僕としては、「人生の流れの中で、どこまでが決まっていることなのか?」と思ったりするんです。
ただ、欧米の占星術家の中には「なんでも可能にできるなら、占いは必要なくなるでしょう?」と批判する方もいらっしゃいます。

伊泉 それに反しちゃうかもしれないけど、僕は未来を予言することに、まるで興味がなくて
だから、僕の講座で「未来を当てられるんですか?」という素朴な質問をされると、自信満々に「できるわけないじゃん」というところから、講座の内容を組み立てますからね。
「できない」ということを前提にして(笑)。

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