• HOME
  • ブログ
  • 田中要一郎の占術談義
  • 占い師・田中要一郎の占術談義/3回目〈占い・精神世界研究家〉伊泉龍一:タロットカードはキーワードよりも絵柄の方を読み取ってください

占い師・田中要一郎の占術談義/3回目〈占い・精神世界研究家〉伊泉龍一:タロットカードはキーワードよりも絵柄の方を読み取ってください

求めるものは運命を決定づけない占い方

伊泉 なので、彼のカードの意味は“使えない”ものなんです。
そこでイーデン・グレイは、1960年代の時代に合ったタロットカードの意味をを自分で作っていったんですよね。
それはすごく画期的で、イギリスやアメリカの、その後のタロットの世界を変えるきっかけを作ったと思います。

田中 ポピュラーにしたということですね?

伊泉 そうです。それに彼女の思想のバックボーンは「ニューソート」(19世紀アメリカ合衆国で始まった霊性運動)だったので、一般人が思うところの占い、例えば、未来を予言するみたいなことに対して、真っ向から反対しているんです。

ニューソートの考え方だと、未来は予言するものじゃなくて、創るものだから。イーデン・グレイとしては“未来を予言することは意味ないでしょ”というスタンスでした。
だから彼女は本の中で、しばしば「決して不吉な未来を予言してはダメです」と繰り返しました。相手の心に予言された言葉がひっかかると、その人は予言を自己成就してしまうからです。

田中 暗示を受けるような形になるというか。

伊泉 そう。引き寄せの法則的に、ネガティブなことを引き寄せてしまいます。
なので、彼女が始めたタロットでは、未来のことについてのカードは出すけれど、「今こうしたら、未来はこうなっていく」とか、「今の状態ならどういう未来になりうるか」にフォーカスしています。

このことには、僕も共感できるところがあって。もともと僕が占いに興味がなかったのは、何でもかんでも、決定論的に「未来は決まっている」という考え方が、自分の性格的に全然合わなくて。
子どもの頃から「がんばれば、うまくいくじゃん」と思っているし、大好きな映画はロッキーなので(笑)。

田中 ロッキーは、がんばる映画ですよね(笑)。

伊泉 そうそう。それって、決定論とは相容れないじゃないですか。

田中 となると、伝統的な占星術は、けっこう決定論的な部分もあると思いますが、ご自分の中で矛盾は感じませんか?

伊泉 「潜在的にそういう可能性・傾向がある」というふうに読み替えています。「絶対にこうなる」という観点での読み方はしていないですね。

タロットはカードの意味ではなく、絵柄を読む

田中 カードの解釈ですが、どこまで自由にやっていいのかが気になっていて。タロットの場合、占い師によって、カードの意味の解釈を変えてしまっています
例えば、「隠者」のカードは、そもそも恋愛だとプラトニックなことや孤独さや孤立というイメージが強いんですけど、僕が聞いてびっくりしたのが、「不倫になる」と解釈した方がいたことです。
おそらくその占い師は、カードの「隠れる」という意味から、人に隠れて恋愛をしている、と解釈したんでしょう。でも、そこまで解釈を変えてしまっていいんでしょうか?

伊泉 多々あるパターンです。結局、英語のタイトルを訳した日本語に引っ張られて、「えっ?」って思うような関係ない意味を持たされていくんです。
だから、皆がもっとカードの絵柄を大事にした方がいいです。頭で考えすぎなんです。

田中 中には、意味を覚えなくてもいいように、カードに意味が書かれているものもありますよね。

伊泉 だったら、絵柄がなくて、メッセージだけ書かれていればいいことになりますよね。でも、大事なのは絵柄の方なんです。
「審判」のカードもそういうことが起きています。このカードは人々が復活することを意味しているから、恋愛だと「復活愛」と解釈されて広まっています。
でも、そもそも、彼氏とよりが戻るという意味合いの絵柄じゃないんです。審判・復活するというキーワードから、復活愛も意味すると思い込まれてしまった。こういうことが多すぎるんですよね。

田中 「審判」のカードの別の解釈としては、「解放される」という意味もありますから。彼からやっと解放される、みたいな(笑)。

伊泉 そういう意味もあるでしょうけど(笑)。

田中 だから、伊泉さんとしては、「もっと絵柄から読み取ることを大事にしましょう」ということですね。

自分に向き合う「リヴィジョンタロット」は面白い!

田中 その点、泉さんの「リヴィジョンタロット」って、占い方が独特ですよね。ご自分で編み出したんですか?

伊泉 僕のタロットの出発点は、翻訳を手がけたこともあるレイチェル・ポラックさん(現代タロットの巨匠と呼ばれる)なんです。

田中 『タロットバイブル』の著者ですよね。

伊泉 その本よりも前に書かれたデビュー作の『タロットの書』(フォーテュナ)が、僕の占い方の原点みたいなところがあって、そこからインスピレーションを受けている部分があります。
でも、「リヴィジョン」という言葉は、ジェイムズ・ヒルマンからきています。彼はユング派の流れを組む人で、自分の心理学を説明する時に、リヴィジョンという言葉を使っているんです。それを、僕はパクっているんですよ(笑)。

 『タロットの書』
 レイチェル・ポラック著/ 伊泉龍一訳/フォーテュナ

田中 そうなんですね。でも、やり方の部分はご自分で考えたんですよね?

伊泉 はい、自分で。

田中 「リヴィジョンタロット」、面白いですよね。一般的には、質問の後にカードを引きます。でも、それとは逆で、“カードを見てからもう一度質問を見つめる”というやり方が面白いです

伊泉 ありがとうございます。
質問に答えるんじゃないんです。何らかの問いかけをするということは、その問いかけが出てくる背後の動機があるということ。そこを見る感じです。

田中 あの本は、日本のタロットの書籍の中でも斬新で、独特のポジションにあると思います。決して従来の占い的なものではないですよね。自分で自分に問答しているといいますか。自分で自分を知るきっかけになると言いますか。

伊泉 そうです、自分に向き合う感じです。自身が囚われているものに、気づくきっかけになるんです。
その際に、カードは1枚引くのが一番いいです。基本的には何枚引いてもいいですけど。一般的に1枚引きをやるのは、あまり人気ないですよね。みんな、派手にやりたがりますから(笑)。

NEXT:「悪いカードに見えてもプラスの力を引き出せる」「勘違いしないよう自分を戒める努力を」「宿命論にとらわれず現状を切り開く方向へ」

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。